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介護業界の軸「ケアマネージャー」ってどんなお仕事?

介護業界の軸「ケアマネージャー」ってどんなお仕事?

介護に携わる人にとって、キャリアアップの代表的な資格として介護福祉士があります。

 介護福祉士は、介護の仕事で一番はじめに取得するキャリアアップの資格だと思います。実際働き始めると、必ず職場からも介護福祉士を取ってほしいオーラを出されると思います。

 そして、一定の年数を働いた人は、多くの人が介護福祉士を取得していると思います。そして介護福祉士ともう一つ代表的な資格として、「ケアマネージャー」という資格があります。

 今日は、そのケアマネージャーがどういった資格かを紹介したいと思います。

ケアマネージャーとは

 正式名称は「介護支援専門員」という名称ですが、皆呼びやすい「ケアマネージャー」略して「ケアマネ」と呼ばれる事が多いです。

 ケアマネージャーは基本的にベースの基礎資格を取得している事が前提で、例えば介護福祉士や社会福祉士、看護師などの国家資格を持っている人が介護施設などで一定期間働く事で初めて受験資格を得る事が出来ます。

 その後、資格試験を受験し合格したのち実務研修を受け研修を修了後、各都道府県に登録をしてはじめて「介護支援専門員」となれます。

合格率も毎年10%から20%弱とかなり合格率の低い試験でもある事が特徴です。

 また、合格後も資格は更新制です。有効期間は5年間。そしてその5年間の間に2度まとまった時間の更新研修を受けなければなりません。この更新研修は、何十時間の研修を数ヶ月かけて受講します。

資格を取得する事自体大変な資格ではあるのですが、同時に維持する事もなかなか大変な資格である事も特徴です。(研修費用も2万〜3万と高め)

具体的にはどんな仕事をするの?

「ケアマネージャーの仕事は基本的には、介護保険サービスを利用する人の介護計画という書類を作成する仕事です。」

ですが…書類を作るだけ…

では、ありません‼

 介護保険は一定の年齢に達すれば誰でも利用が出来ますが、利用するまでにかなり複雑な行政手続きを要します。

 誰でも使えるサービスではありますが、行政の窓口まで提出する書類なども多く、忙しい現役世代や高齢者が1人で全ての手続きするのはかなり大変です。

 そのためケアマネージャーは、制度利用をする為の様々な行政手続きを代行もしくは同行しながら手続きの支援を行い、介護保険サービスを使える段階まで支援する事からはじまります。

 介護保険サービスの手続きをしたのち、利用者に必要なサービスが何か…を本人や家族の話を聞き取ります。

その中で必要なサービスを判断します。

 ケアマネージャーはあくまでも相談支援者なので、直接的なサービス(おむつの交換や買物、受診の援助など)の提供は出来ません。

 直接なサービスを提供できる事業者との橋渡しを行い細かいサービスの回数や時間などを調整します。医療系のサービスであれば、医師とも連携しながらサービスを導入して行きます。

 そういった経緯を得ながら最終的に調整されたサービスを介護計画としてA4サイズの書類何枚かに落とし込んで行きます。

 形式上は介護計画を作成するだけですが、その過程で様々な支援を行なっており介護保険制度を円滑に利用できるように援助を行います。

 その為、ケアマネージャーは介護保険制度の知識、行政手続きの流れを熟知、利用者や家族とのコミュニケーションスキル、関係職種との連携できるスキル等、高い専門知識を求められます。

ただ数枚の書類を作成しているだけではないんですね〜。

 そして、無事サービスを利用した後も、そのサービスを利用してどうなったか?また、利用者の満足度などを定期的に確認をしていく必要があります。必要があればサービスの変更を行ったり、皆で話し合いの場を設けたりと関係は他のサービス事業者と違って、長い付き合いになります。

 

ケアマネの仕事のまとめ

①介護保険利用の手続き

②保険利用にあたって本人の生活の意向の確認

③具体的なサービス事業者の選定

④利用前の最終的な確認事項などを話し合う会議の開催

⑤サービス利用導入後の経過の確認

 

①〜④まではおおよそ2週間ほどで調整していきます。(すぐに導入が必要な時はもっと短いスパンで進めていきます。)

簡単ですが、以上がケアマネージャーの主な仕事の流れになります。

ケアマネージャーに求められる事

今回は、ケアマネージャーがどんな仕事をしているかを説明していきましたが、このような職種の為、ケアマネージャーは「介護保険制度の要」とも言われている非常に重要な職種です。

 デイサービスやヘルパーなど各種介護サービスはケアマネージャーを立てないと実質利用できない…と言っても過言では無いですし、介護保険サービスの手綱をとる、とれるという事はお金を自由に動かせるという事でもありますから、非常に高い倫理観を持てる人間性も備えていなければなりません。(実際、ケアマネージャーとヘルパー事業所が組んで不正請求をしていたケースもありました)

最後に

ここまで、ケアマネージャーの仕事を紹介していきましたが介護福祉士の主なキャリアアップの職種のわりには随分方向性が違うような印象を受ける方もいると思います。

 ただ、介護の現場は介護保険サービスのほんの一部で現場で介護を受ける利用者が実際に利用するまでには、ケアマネージャーの存在があっての事なのです。

 サービスを利用をするまでの手続きも介護保険の重要なサービスのひとつなのです。そして、一見すると現場から事務職に移るような印象も持たれるかも知れませんが、ケアマネージャーはサービスを利用する人の良き相談役として介護の大変さを共感できるだけの経験がなければ相談にのる事も出来ませんし、必要なサービスをイメージする事も出来ません。

ケアマネージャーになったとき実際の介護現場の経験が必ず活きて来ます。

そのため、ケアマネージャーは介護福祉士をとった後のキャリアアップにふさわしい職種と言えるでしょう。

 

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