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介護

老々介護の意外な現実

老々介護の意外な現実

こんにちは、本日のお話は「老々介護」の現実についてお話をしていきたいと思います。

 

皆さんは老々介護というとどのような印象を受けますか?

もちろん字面だけ見ると、読んで字のごとく高齢者の夫婦がお互いを介護しあう、もしくはしてあげる…というイメージがまず最初に思い浮かぶ印象ではないでしょうか?

では、老々介護が皆さんの心象としてネガティブなものかポジティブなものか、というとやはりネガティブな印象を受ける事の方が多いのではないでしょうか?

心配な事を考えたらキリがありません。

・火元の管理は?
・食事や栄養面の管理が出来ているの?
・薬は飲めてる?
・そもそも何かあった時に高齢者二人で大丈夫?

このようにいろんな不安要素が出てくると思います。
もちろんそのような心配は介護を必要とする高齢者夫婦であれば大方当てはまるというのも否定ができない事実でしょう。

まあ、それは家族や介護者、まわりの人間は当然のように感じる事であると思います。

では、当の本人たちは周りが心配するほど不安に感じているのでしょうか?

そして、その疑問に答えるべく、今日はそのことについて話をしていきたいと思います。

はじめは不安しかなかった

私が担当したことがある、老々介護のご夫婦を紹介したいと思います

この夫婦は我々ケアマネが主に利用者の受ける主要ルートのひとつである包括支援センターからの紹介でした。

紹介をしてもらい、はじめて自宅にお邪魔した時には家の中はバタバタでおしっこの匂いが酷く、また、夫が喫煙をしている事もあり火の不始末の心配もありました。

ご夫婦ともになかなかの認知症もある為、鍋を焦がしたりといった事もどうやら頻繁にあるようで焦げた鍋が沢山ありました(笑)

二人は、自分たちでは生活は、ちゃんとできているという自負はあるようで、あまり人に干渉されるのはいい気分には思っていないようでした。

それでも、包括支援センターの職員さんはある程度この夫婦と関係が出来ており、お話をしたり、「最近は腰が痛くなかなか外出する気持ちが失せている」といった身の上話をしてくださるだけの関係性はすでに築いておられました。(さすが包括支援センターの職員さん)

一緒に訪問した私に対しては、特に警戒する事もなく私の事も「一緒についてきた人」という認識で受け入れてくださっていました。

 

主に話をしてくれるのは、妻の方で夫は耳が遠くいつも横になっている事が多いです。

妻は、夫との苦労話や今でも一緒にお風呂に入っている事など話をしてくださり、とても仲が良い様子がうかがえました。(なのにおしっこのにおいがするのはなんでか?というのはあとでお話します)

このご夫婦は自分たちなりに幸せそうにやっているようでした。

ただ、客観的にみるとかなり自宅は荒れている様子で洗濯は洗剤もありますが、その洗剤を使わずに洗濯を回したり、そもそも回しているものと回していないものがごっちゃになっているなど洗濯ものはバタバタになっていたり、洗い物も油や、カビのようなものが付着していたり、とてもそれを使いたいとは思えないレベルの清潔度でした。

ゴミもちゃんとまとめられておらず、においも悪臭を放っていました。布団は夫のたばこの吸い殻で焦げている所もあるなど当人以外はとてもこの家にあるものを使いたいとは思えないような、そんな自宅の様子でした(笑)

でもご夫婦は2人でいることがとても幸せそうでした。

そんなご夫婦ですが、そのような状態の為、やはり家族が非常に心配をされます。特に息子さんが非常に心配され、施設への入所を進めている様子でした。特に火元が心配な夫を先に施設へ、いれたい気持ちは大変に強いようでした。

まあ、家族の心配をよそに

このご夫婦はとても幸せそうでした。

 

ケアマネとしてかかわる際に特に注意したのはご夫婦の熱々ぶりを妨げない事。
・無理に支援に入らない事
・家族にご近所の人々に安心してもらうこと
・この三つを意識して関わりました。

この三つ具体的にどのように関わったかというと

① まずは、わたし自信がご夫婦と関係を作る事。そして、本当に困っている所にピンポイントでサービスを入る事を意識しました。

② 妻が腰の痛みを訴えていたので、ヘルパーを使う事を勧めました。当初ヘルパーも同じ人が同じ時間に決まった曜日にヘルプすることを意識し徐々にお手伝いの量をふやしていきました。最終的にはヘルパーの訪問時に入浴もしてくれるようになったので洗濯入浴と一緒に回せる事で週に二回ほどの支援で十分生活が整えられました。ここまでの関係と支援の域になるのに半年ほどかかりましたが(笑)

ご夫婦はやっぱり自宅で二人で生活するのが幸せなようです。

③ そして家族の心配の軽減。これが一番骨が折れました。
火元の心配は、自治体が提供している火災の消火設備を導入できる制度などを利用して少しでも心配を取り除けるように環境を整えました。
それでも、自宅に様子を見に行くたびにばたばたしている自宅をみていっこくも早く施設へいれたそうにしていました。時に何度も、施設の空きがないか?とか、両親にたいする愚痴なども何度も話を聞かされました。どんどん悪くなっている両親をみているのは複雑な心境でもあったのでしょう。昔はしつけに厳しい両親だったそうです。そのような頃の姿をしっている息子さんは特に現状を受け入れるのがつらい、そんな心情でもあったようです。
私も、出来るだけ積極的に息子さんを気に掛けるように、相談してもらえるように関りつつやっていきました。

そして、サービスの導入が順調にいきはじめ、段々と環境が改善されていくと息子さんにも信教の変化が

いつものように様子をみに来た息子さん。
あわせてモニタリングでお邪魔したときに私にこんな事を言ってきました

「二人で自宅で暮らすのが両親にとっては一番幸せなんですかね?」

この時初めて息子さんは両親が自宅で生活を続けることを、前向きに肯定できるように、受け入れる事が出来るようになった瞬間のように感じました。

それ以降、息子さんは心配しつつもお二人の生活を見守ってくださっています。

現在も自宅で暮らしているこのご夫婦、いつ伺ってもやっぱり幸せそうでした。

と、いうのが私の担当している老々介護の意外な現実です。決してネガティブなだけではないって所がミソなんですよね

いかに支援する人を幸せにできるか?という所が私たちの腕の見せ所って事で本日は〆たいと思います。

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