こんにちは。ぶる(@burusan_no)です。最近Twitterのタイムラインでちょこちょこ見かけるフリーランスの介護職について自分なりの考察とフリーランスとして働くという事はどういう事なのか話をしたいと思います。
フリーランスってどんな職業?
フリーランス(英:freelance)は特定の事業主や団体に所属せず、特定のスキルを提供し報酬を得る人の事で、IT系のプログラマーやエンジニアなど高度なスキルを提供して稼いでる人の事を一般的に指す事になると解釈していいと思います。
ちなみにフリーランスという言葉は最近聞くようになってきたと思いますが、古くから家を建てる際の職人さん(水回り関係や電機系触ってくれる人など)も今の言葉でいう所のフリーランスと言えるでしょうね。要は自営業と意味合いはあまり変わらない思います。
フリーランスの魅力とはなんなのか?
SNSを見ているとフリーランスになって介護職をする事を肯定的に捉えている方も多そうです。フリーランスの魅力を自分なりに考察をしてみました。
フリーランスの魅力
考察➀単純に言葉の響きがカッコよかったり、フリーランスというイメージ、ブランドに魅力を感じている
近年、ユーチューバーやノマドワーカー(ブログやアフェリエイト)など一昔前では考えられなかった自由な働き方(に見える)で生計をたてている人が増えました。組織に縛られない、どこにも所属せず自分の能力一本で社会の荒波に立ち向かう。そんなポジティブなイメージがフリーランスには定着しているのではないのでしょうか?
実際、フリーランスで稼いでます!!って言えたらそれはそれでカッコいいですよね。
考察➁すぐに始められる
フリーランスで請け負う仕事にもよりますが、己の身一つで出来る事も多いのでお客と仕事があれば資本(お金)が少なくても始める事は出来ます。
事業を始めるにあたってお金は非常に重要な要素です。給与は低めなのが一般的な介護職の人にとって資本(お金)が少なくても事業を始められるというのは非常にメリットとして大きいと思います。
考察➂自分の理想の働き方が実現できる(と思っている)
介護職は労働集約型と言われる典型的な日本企業にある職業形態で労働者は時間給に対して費用が支払われる時給労働です。契約に定められた決まった時間を消化し土日祝関係なく働き、給料はそこまで多くなく、天井も見えている。その癖、古い決まりや中々新しい事、新しいモノに抵抗を示し、なかなか職場環境が進歩しない…そんな既存の介護の仕事にへきへきしている人も多いと思います。
「フリーランスであれば…」「自分の力を試したい」という想いの中で自分にとっての理想の働き方を手に入れたい。こういう介護をやりたい!自分の中の気持ちを昇華させる事が出来るのでは?と考えている方も多いのではないでしょうか?
フリーランスで働くという事
以上3つ、フリーランスの介護職の魅力について考察をしてみました。
それでは実際にフリーランスになると本当に良いところばかりになのでしょうか?
少なくともフリーランスになる事でこういう事は想定されるよね~とかそんな話をしていきたいと思います。
フリーランスの注意点➀:すべてを自分で行わなければならない
仕事とは価値がある技術やサービスを顧客に提供する事でそれを対価にお金をもらうという仕組みです。これは多くの方が当然に理解されていると思いますが、その過程にまず
「商品をいくらで売るか」
「商品をどこで誰に売るか」
「どうやって売るか」
商品の値付け…時間単位で売るのか?サービス内容で価格を設定するのか?などを自分で考えなければなりません。
介護保険で提供されるようなサービスは公費で賄われている為、お客さんの相場感覚が麻痺しています。その為、介護保険で提供しているサービスに類似したサービスであれば競争原理すら働きません。その為、前提として提供されるサービス自体、独自のサービスが提供されなければなりません。
提供するサービス内容をあらかじめ決め、相場を調べ、利用してもらえる金額に設定するという一連の過程も全て自分で行わなければなりません。また、価格の設定をしたとしても、誰にも知らなければサービスは利用してもらえません。サービスを利用してもらうために知ってもらう活動、いわゆる「営業」もしなければなりません。その為のコネ、人脈、地域の特徴などすべてを自分で管理しさらに営業をして収益化する事で自身の生活も成り立つ訳です。
どこかに雇われていれば、よほどの会社ではない限り、各々の部署ごとに役割分担をされています。そういった事も全て自分で行わなければならない、自己の責任で完結しなければならない。そういった事も含めて全て内包したうえでフリーランスになる事を考えなければならないでしょう。
フリーランスの注意点➁:社会的信用が低い
フリーランス含む個人事業主は、雇われているサラリーマンと違って収入が不安定な事もあり社会的な信用が低いと言われています。例えば、銀行で融資を受けるといった事は非常に練られた事業計画を提出し、少ない金額であっても簡単ではありません。また、プライベートで有担保で住宅ローンを組む際の審査でも厳しくなったり、クレジットカードが作れないといった事などあります。
また、提供するサービスの範囲にネットワークが無いと関係機関と一から信用を構築する必要もある為、自分自身の生活費もある程度蓄えが無いと自分の生活が成り立たないといった事も考えられますのでその点も考えないといけないでしょう。
フリーランスだと年金を納める、納税も自分で行う必要がある為、納税の手間、自身の将来の生活も併せて考える必要があります。
事故を起こした際の賠償責任などもどこまで負えるかも考えておく必要があります。業務中にケガを利用者に負わしてしまった。物品を破損、紛失してしまった。など…。そういった万が一の事に関しても考える必要があるでしょう。組織で働いていれば会社が責任を取ってくれますが、フリーランスは当然自分で責任を負わなければなりません。
フリーランスの注意点➂:価値の高いサービスを提供するとなると結局他のスキルが必要になってくる
フリーランスでやっていくとなると、少なくとも時給2000円以上の料金設定を行わないと食べていくのは厳しいと個人的に感じています。なぜなら一般的な週40時間労働でずっと仕事が入ってきたと仮定してそれが時給2000円だとしても、年で400万円程度の利益にしかなりません。そこから経費や支払うべき税金などを支払うと手元に残るのはかなり少ない額になるでしょう。そうなると必然的に時給の単価を上げなければなりません。そして時給の単価を上げても利用してもらえる付加価値を持ったスキルを自身が身につける…。現実的にフリーランスの介護職でやっていくとなるとその辺りまでしっかり考えないといけないと思います。
お金を稼ぐことは決して楽じゃないよ…というお話
以上、ちょっと厳しい目線でフリーランスの介護職について自分なりの考察をしました。
少し、厳しめな視点で記事を書きましたが、私もフリーランスで介護士が何らかの価値を社会に提供するのは賛成です。なぜなら現在の介護保険制度や福祉制度では法的な面でも現実的なマンパワーの少なさを見ても今後多様化する高齢者のニーズに対応していくのは難しいと思うからです。ですから、法に縛られない自由なサービスの提供は今後必ず必要とされるでしょう。フリーランスで働いて社会に価値を提供する事は介護福祉士の社会的地位の向上にもつながると思いますしね…。反面、私は一つの組織、法人で長年働き事業の管理職や役員などを任され組織というのは多くの役割を細分化した上で成り立っているという事を身をもって知りました。私達介護職員ももちろん介護だけ仕事をしている訳ではありませんが、それ以上に組織には多くの「やるべきこと」があります。それら全てが円滑に執行されることで始めてお金が入って皆さんの生活費になります。お金を稼ぐ事って様々な過程を得て初めて私たちの懐に入ってくる。お金を稼ぐ事って本当に大変なんです。
規模は小さくても、それらすべてを自分で行わなければなりません。古風な表現ですが、「心」「技」「体」全てが揃っている必要がある。その覚悟はもっている必要はあると思います。フリーランスで働いてみたいという人はまず自分自身の能力を測りにかけてみても良いのではないでしょうか?