在宅介護

フィンランドの介護事情②

前回の続きフィンランドの介護事情①

フィンランドの施設介護の実情をまとめてみました

公立の老人ホームの場合(例)

  • 労働時間は週38時間15分
  • 早番は7時、遅番は14時、夜勤は20時半〜
  • 16人を介護士2人看護師1人で担当する(5人〜6人あたり職員1人の計算)
  • 担当業務は肉体労働メイン(食事介助、オムツ交換etc)
  • 暴れる人や暴言を吐く人もいる
  • 公立の老人ホームの待遇は国民平均の3分の2
  • 昇給は勤続5年目から
  • 年間24〜30日の有給が保証されている。
  • 勤続10年目にしてようやく有給取得日数が増える。

以上が公立の老人ホームの特徴ですが、日本よりマシなのは労働時間が短い所有給がしっかり取得できる所でしょうか?

国民所得の3分の2が給与面は日本と同じくらいでしょう。

日本の介護施設では、利用者3人に対して職員が1人配置されるので、日本に比べても相当ハードな仕事では無いでしょうか?

日本のこの人員配置ですら現場は根をあげているのでフィンランドの公立の老人ホームは相当大変なのは容易に想像がつきます。

この環境で離職率とか高くないんでしょうか?

それとも…

日本の老人ホームは無駄な仕事が多いのでしょうか?

フィンランドも公立の老人ホームはこの様な待遇なので、決して評判はよく無い様です。日本でも同様ですが、変わり果てた両親の姿を見るのが辛いという理由で、訪問回数も激減するのは日本もフィンランドも変わらない様です。

そんな中でもしっかりクレーマーはいる様で、食事の質が悪い、着せている服が悪い、本人の意思に関係なくもっと外出させろなどなどの文句はある様です。

特別なサービスもなく平均もしくは平均以下のサービスを提供するというのが、フィンランドの公的なサービスの特徴と言えるでしょう。

公立の老人ホームのメリットは、年金の年収80%で医療や、その他治療を受けてもそれ以上の支払いはない所でしょう。

胃ろうも積極的にはしないし、延命の措置は医師の判断で行うそうです。(日本は家族や本人の意向を尊重します)

その為、入ってしまえば安全の確保はされます。どちらにしても最低限のサービスを必要な量だけ提供するという感じでしょう。

これが、民間の施設になると話が、違ってきて、ガーデニング、畑仕事、手芸講座など「テーマ型老人ホーム」として食事にはワインなども無料で提供される等、QOLが高いのも特徴です。(金額は調べたんですが、わかりませんでした…ごめんなさい)

この様に、老人ホームでも公立と民間では明確にサービスの内容が違う所がフィンランドと日本の違いでしょうか?

日本は、介護保険という制度の元、民間と公立で大きなサービスの違いはなく、介護保険の事業者はすべて高いサービスの質を求められます。安い払いで、高いサービスが受けられる点は日本の高齢者介護の大いな魅力と言えるでしょう。

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